慶應義塾大学の経済学部に入学したのは、私が23歳の時。2008年の金融危機の翌年。
20代も半ばに差し掛かり「これから自立した人生を幸せに歩んでいけるか?!」という壮大なテーマにぶち当たっていた時でした。
「知識・教養が足りてないじゃないか〜!」と世界金融危機のニュースを見ながらワタワタしておりました。
知識や教養を身につける場所は「大学」でなくてもよかったのかもしれません。
しかし、兄が慶應通信に入学しただけで辞めていたので、家に慶應通信のテキストが新品のまま置いてあり、運命に流されるように入学を決めることになりました。
(結局、入学した時に自動的にテキストが送られてきたので、兄のテキストは使用することはありませんでしたが)
慶應義塾大学の通信生とは、自分で好きな時にレポートを書き期限までに提出し、年に4回しかない科目試験に合格したらその単位を取得できるというシステムになっています。
Contents
私が感じた慶應通信のメリットとは…
慶應通信、驚いたのは「授業料」の安さ
慶應は私立大学にも関わらず、授業料も他の大学の通信教育に比べとても安い!
1年目は、一年間で13万円ぐらい(教科書含め)、2年目は10万円、配本が終わると年間6万円の授業料です。
スクーリングはまた別途料金がかかりますが、基本的に1単位5000円くらいとかなりお安くなっています。
その他、登録料や本代など色々支払いはありますが、大した額ではありません。
これくらいなら働きながらでも、家計を圧迫することなく、趣味のように学びを継続できると思いました。
(詳しくは、慶應通信ホームページへ。)
>>>働きながら大卒資格や教員免許を取得したいあなたにオススメの通信制大学!
科目試験は全国で行われる
スクーリングは日吉か三田でほとんど行われますが、科目試験は全国の試験会場で行われます。
その頃は鹿児島県に住んでいたので、都内の大学まで行かなくて良いことが本当に有り難かったです。
(当時は、鹿児島の場合、科目試験は鹿児島か宮崎でした。)
その科目試験には、試験官として慶應の大学の教授たちが来てくれて、テストの後に教授の特別講演を受けることが出来ます。
毎回、素晴らしい講演で感動ものでした。
講演の後は、懇親会などもあり、色々な話を聞くことができました。
海外からも受講可能
海外で科目試験はありませんが、レポートは海外から提出することができます。
スクーリングや科目試験の時に日本に帰って来ることができたら大丈夫。
23歳の私も、まだ日本に留まるか決めていなかったため、国を選ばずとも学び続けられる慶應の通信を選びました。

本当の学びができる
慶應通信は自分と向き合い対話する日々です。
自分で意識的に学ぶ過程には、苦しいこともたくさんありますが、様々な発見と驚きと感動があります。
そして、学友も年齢・職業・国籍それぞれです。
ソクラテスの愛の理論について研究をする80代の方がいらっしゃったり、広島のカープ愛について卒論を書く方もいらっしゃいました。
「学びの人生って素晴らしいな」と心から思いました。
慶應通信の現実…
慶應通信の卒業率は3%!?と、在学中に聞いたことがあります。
そして、卒業まで平均して8〜10年かかるということ。
公式に大学から発表された数字ではないため正確なことはわかりませんが、それだけ大変な道のりだということでしょう。
うちの兄のような登録だけして体験型で終わってしまった人がたくさんいらっしゃるのと、正科生と同じ教科を習得しないとならず、また年4回の科目試験の中で複数教科の単位を取ることは想像以上に困難なのです。
学校に通わず自分で学習を継続し、仕事もこなすのは根気がいります。
私は学友と励ましあって、挫けそうになっても学習をコツコツ続け、8年目にやっと卒業することができました!(長かったな〜)
家族や友人も、慶應通信を卒業した私のことを誇らしく思ってくれました。
「長くて険しい道のりを8年間も頑張れたんだから、独学で慶應の「通信」を卒業したということは本当に素晴らしいよ!!慶應通信に誇りを持ちなさいね!!!」
と私の父も大変喜んでくれました。
慶應義塾大学の卒業証書を手にした時は、それまでの人生で一番に嬉しかった瞬間。
(結婚した時よりも嬉しかったかも。笑)
苦労して、努力して、失敗して、何年もかけて得たものほど喜びは大きいとはこのことだな〜と実感しました。

ぜひ一人でも多くの方に、慶應通信の学びと、慶應通信を卒業するという感動を味わって欲しいので、
今から慶應通信で学ぶ方、または中断している方に、慶應通信をできるだけ早く卒業するコツを私の経験からお教えしたいと思います!
(私も知っていたらもっと早く卒業できたかも。涙)
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すぐに取り掛かる
学部は、文学、経済、法学とあり、私は経済のこと世の中の成り立ちが知りたくて「経済学部」に入学しました。
入学試験で書いた経済に関する感想文?は、勝間和代さん著でその頃一番流行していた「お金は銀行に預けるな。金融リテラシーの基本と実践」という本だったのを懐かしく覚えています。
合格通知と大量のテキストが届くも、最初の一年は大学のレポートの書き方、提出の方法が分からずスルー。
2年目からやっと、日吉で行われていた夏のスクーリングに参加し始めました。
そこで素敵な友人ができ、やっと大学カリキュラムスタート!
大体多くの人が最初の一年は通信のシステムがわからず、放置しています。
しっかりと大学からの冊子を読み、ルールを把握して、最初の一歩を踏み出してみましょう。
科目試験で無駄なく受験できるように教科を選び、レポート提出(広く浅く)
学びたい教科が必ずしも単位をとれる教科ではないので、理解可能な教科からどんどんレポートを仕上げて行きましょう。
学びたいだけでは単位は取れず、教科によってレポートの採点がとっても厳しいこともあります。
最初から合格で返却されることはまず無く、教科によっては返却までに相当な時間がかかる場合もあります。
年に4回しかない貴重な科目試験を無駄なく受験できるように心がけましょう。
最初は意気込んでフランス語もやりたい、簿記も学びたいと色々好きな科目のレポートを次々に出したのですが、ここは慶應。
学びたい、好きだけじゃ単位は取れません。
レポートも科目試験も、レベル信じられないくらい高いです。涙
フランス語の科目試験のためだけに何百時間も勉強するとなると卒業までもっと時間が掛かります。
時間がある方は是非質の高い学びをして頂きたいのですが、働きながら勉強をしている社会人にとってフランス語だけやっているわけにはいきません。(卒業後、フランス語が必要な人は例外として)
ここでの目的は「出来るだけ早く卒業する!」ことです。
フランス語は単に一つの例ですが、効率的に単位を取れる方法・教科をまずは優先させましょう。
好きな教科の学びは、余裕が出たらすることにしましょう。
まずはダメもとで、バンバンレポートを浅く広く出していくことをお勧めします。
やっているうちにその科目の難易度や求められている点が分かってきます。
科目試験の過去問は必ずやる
大学から配布される過去問は必ずマスターしましょう。
新入生なら、今までの科目試験の過去問を友人や先輩から借りることも可能だと思います。
そこで、その科目の出題傾向を知ることができます。
しかしそれだけでは不十分。
教科書からどのような問題が出されるのか推測し科目試験に備えてください。
私は科目試験の同じ教科で最高6回ぐらい落ちたことがあります。
自分の無能さを呪いました。笑涙
そこまで来ると教科書はほぼ覚えてしまいます。
時には、過去問に出ていないような問題が出題されることもあります。
教科書の重要箇所を万遍なく理解しておくことで科目試験に通りやすくなります。
(運的要素もあります。祈りましょう)
卒論のテーマを早くから決めて、データ集めを進めておく
噂には聞いていましたが、卒論が本当に大変です。
教授と意見が合わないとなかなか思うように進みません。
私は「日本における看護師の職務拡大に関する考察」という卒論を約1年掛けて仕上げました。
いや〜これも本当に本当に辛かったけど、素晴らしい経験でした。
(あまりの集中とストレスで、激太りしました。笑)
卒論は30000字以上です。
教授に指導をもらいながら、校正に校正を重ねます。
卒論登録はできるだけ早めに行い、卒論指導に入れるようにしましょう。
卒論登録して、指導をもらって平均1年〜1年半は最低でも掛かると考えていてください。
卒論は大学での学びの集大成。
まずは、図書館で自分の書きたい卒論のカテゴリーを教えている指導教授の生徒の書いた卒論を読みましょう。
そして、自分の書きたい卒論のイメージを膨らませ、どの教授の専門が自分の書きたい卒論に近いのかを調べましょう。
卒論に関する色々なデータは、随時集めておきましょう。
慶應通信で一緒に学ぶ友人を作る
慶應通信は「友人が全て」。
自分で好きなスケジュールを立てられるので、とても気楽で楽しいような気がします。
しかし、実際は孤独と誘惑との戦い。
多くの人は働きながら空き時間に学習をしているため、時間管理、自己管理がとても重要です。
慶友会・スクーリングなどの学校行事には出来るだけ積極的に参加しましょう。
一緒に学ぶ友ができるとモチベーションも保て、色々な情報を得ることができます。
(科目試験、卒論、スクーリング、参考文献、卒論指導のことなど)
私は鹿児島慶友会の会長をしましたが、そこでも素敵な出会いがありました。

慶應通信での経済部での勉強を並行しながら、正看護師として慶應義塾大学病院でも働くことができたので、これも慶應通信で努力したおかげかなと思っています。
とても刺激的な素晴らしい職場でした。

2017年3月の慶應の卒業式は、家族や友人、夫も来てくれて、幸福感と達成感でいっぱいでした。
今考えると、大学に行ったからといって「教養」が身についた人になれるとは限りませんが、良い大学の素晴らしい教育とは何にも代えがたい価値があり、人間として大きく成長させてくれると思います。
学びとは、何歳から始めても遅くないのです。
自分で自主的に始める学びなら尚更。
困難な道だからこそ、なかなか得ることのできない喜びがそこにはあります!
卒業を目指して頑張って下さいね!!
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