「慶應通信といっても、所詮通信でしょ?」
と思われる方もいるかもしれません。
慶應通信で学位をとっても、バリバリストレートの通学生と同じようには、社会は見てくれないということなのでしょう。
では、通信大学と一般の大学の違いはどこにあるのででしょうか?
通信大学と一般の大学の違いは?
通信大学と一般的な大学の大きな違いは
・大学生をメインとしてほぼ毎日大学に通っているか?
・センター試験を受けているか否か?
ということでしょう。
一般的な大学生は、高校を卒業してからセンター試験・筆記試験を受けてストレート(または数年以内に)大学に入学し、大学生という身分で学業を行います。
全日制のため、通信に比べ授業料は高くなります。
通信大学(慶應通信)は、
・センター試験は受けずにレポートや履歴書で合否が決まる
・自宅学習
・レポート
・科目試験
・夏期スクーリング(通学)で単位を取得
・夜スクーリング(18時〜)で単位を取得
・卒論を仕上げ
・メインは仕事で、働きながら学業を行います。
通信大学の場合、センター試験を受けていないため、一般的な大学生に比べると間口の広い入学となります。
そして、一般的な大学生に比べサポートも少なく、独学が中心のため卒業は狭き門となります。
授業料は全日制に比べて安いです。
通信大学は就職に不利?!
通信大学の場合、就職時の「年齢」が1つの問題としてあげられるでしょう。
日本の社会や大手の企業は今もなお「新卒一括採用」が主流です。
少しずつ時代が変わってきているのかもしれませんが、この新卒一括採用を採用している大企業はまだまだたくさんあります。
新卒枠では、ギャップがあっても3年までの人を採用する傾向にあるようです。
今年就職できなかった学生は新卒として入職する必要があるために、卒業を遅らせて大学院に進学したりして既卒の採用にならないように対策を図っています。
当然働きながら学ぶ通信大学では、授業を受けられる、テストを受けられる機会が通常の大学生よりも少ないため、慶應通信の場合は、早くても5・6年、平均して卒業までに8〜10年の時間がかかります。(通信教育を4年で卒業する人もごく稀にいますが)
また、多くの大学でもOBとの繋がりはとても大切です。
慶應はこの繋がりがとても強い傾向です。
OBとの繋がりを作りにくいため、大手企業を就職先に選びたい方には慶應通信は不利だと言えるかもしれません。
もし大企業に勤めたい場合は、大学終了後3年以内に新卒として入社する必要があるため、通信だと慶應卒業で正科生と同じ教育を受けて学んできたにも関わらず、新卒枠で就職試験を受けることができないということが起こりえます。
また、日本社会では通信大学に対しての理解が乏しい場合もあります。
しかし!
優秀であれば通信でも問題はありませんので、諦めずに夢を追ってください。
世の中には、情熱と能力があれば例外的なことが起こったり、受け入れてもらえたりします。
最初から諦めずに、自分のベストを尽くして、今できる最善のことを一生懸命頑張りましょう。
通信大学生の場合、普通の新卒の大学生と同じように就職活動をするにはやや不利なことは確かですが、優秀な学生であれば機会は平等にあると考えて良いと思います。
通信大学(慶應通信)で学位を取るのは得策ではない?
日本社会では新卒の有名大学出身者が一般的であるのは確かです。
しかし!
現代において、日本の有名企業で働くことがそんなに魅力的でしょうか?
日本にもベンチャーや型にはまらない、いろいろな経歴を持つ個性的な人材を求めている企業がたくさんあります。
英語や中国語などの語学力や、専門のスキルがあれば、外資系の企業にも、海外でも就職することは可能です。
慶應通信の学生の中に学位をもうすでにいくつも持っているという人もたくさんおり、転職や昇進、次のステップアップのために、学びを再開している人もいます。
海外では、インターンシップ(就業見習い)やギャップイヤー(大学に入学する前や途中で学業を休止し、世界旅行に出たり、自分のしたいことができる期間)が一般的です。
大学4年終了して25歳までに終身雇用の企業に就職することはほぼありません。
新卒・既卒という枠がないので、入社時には転職でもないのに30前後ということは一般化しています。
日本は学歴社会といわれていましたが、他の国の企業はどこの大学を出たかよりも、経歴を重視する傾向にあります。
国際化し、転職の機会も増え、大企業に終身雇用されることが最良の選択とは言えなくなっている時代に、新卒として入職することにこだわる必要はないでしょう。
通信大学(慶應通信)で学位を取得することのメリットは何?
慶應通信の学位や卒業証書は、通学の人たちと同じものであり、通信だからといって違うものではありません。
そのため、通信制も慶應卒業後慶應大学の卒業生として扱われます。
(しかし、成績証明書には通信制という記載はされます。)
通信大学は、新卒の大企業への就職には不利かもしれませんが、学びは常に人間を成長させてくれます。
慶應のカリキュラムや教授の授業のレベルは日本でもトップクラスなので、信じられないほどの素晴らしい学びがあるのは確かです。
そして、様々な経歴や職歴などを持つ学友との繋がりは、これからの人生を有意義なものにしてくれます。
例えば、これから自分で事業を展開する人なら、そのようなことをすでにしている人が中にはいるはずなので仕事として繋がる機会もあるでしょう。
また、面白い考え方をする学友、天才的な学友(もちろん変わった人も。笑)もいるので、様々な人と繋がり学び合えます。
まとめ
日本では、長期にわたって良い大学を卒業して、良い企業に正社員として就職し、あわよくば出世し、一つの会社で定年を迎えるということが「正しい道=一般的な道」として考えられてきました。
しかし、これは昭和・平成の時代で終わりかもしれません。
新卒として良い企業に入社して、身を粉にして朝から晩まで組織の中で働いてきたけどこれが本当に幸せなの??
多くの人が疑問視しているからです。
通信大学で学位を取得しようと、一般の大学で学位を取得しようと、
・私は人生で何をしたいのか?
・自分が幸せを感じるものはなにか?
を明確にしていない限り、自分の望んでいない人生を歩むことになりかねません。
他者からの賞賛が欲しいために(または、社会に流されて)自分の進路を選ぶことは、自分の幸せを放棄しているのと同じなのです。
新卒採用の大企業の就職にはやや不利に思える慶應通信ですが、自分らしい人生を歩んでいくためのステップアップにはとても有意義なチャレンジだと言えます。