パプアニューギニア特に首都ポートモレスビーは、世界でも治安が悪いことで有名です。
最近でこそ「危険な国番付け」上位に名を連ねることが少なくなってきましたが(南米や中東などもっと危険になっているのでしょう)、毎日の生活は常に危険と隣り合わせです。
世界にはテロの恐怖に怯える国、放射能に怯える国、戦争中の国、変わったルールのある国、麻薬・ギャングがはびこる国など色々な危険な国があります。
では、首都ポートモレスビーは何が危険なのでしょうか?
答えはラスカル!
あらいぐまラスカルを想像させる可愛い名前ですが、現地の人たちも恐れるギャング集団です。
ラスカルの行動は
窃盗、恐喝、レイプ、空き巣など。
<過去の事件>
・お店やレストランに出没し、拳銃で人々を脅し、お金を持って逃げた。
・運転中に車に飛び乗ってきた。
・車や家のドアや窓から侵入し金品を奪った。
・車に乗車する時にラスカルに囲まれ、そのまま人質とされ、金品を奪われた。
・運転中に石やレンガを投げられ、駐車すると囲まれ脅され金品を奪われた。
など
↓このyoutubeの動画は未遂だった有名な事件です。
郊外の方に出かけた家族が前後怪しげな車に挟まれて山道を進んで行くと、道幅が狭くなったところで前の車が道の真ん中で停車。
車の中から銃を持ったギャングが走ってきて、ドライバーは山道をそのままバックで猛スピードで逃げたというものです。
発砲はしていませんが、とても恐ろしい!
ラスカルはだれ??
ギャングを総称してラスカルといいます。
発生的なギャングです。
誰がラスカルかは特定は難しいようですが、上記のような犯罪が起こったら
「ラスカルが出没した!」
といいます。
ラスカルがたくさんいるため、どの人がラスカルなのかわからないのが取り締まり困難なところ。
もしかすると、地元警察の中にはラスカルとつながっている人もいるのでしょうか?
根絶するのが難しいのが現状です。
ラスカルは誰を狙うの?
ラスカルは、エキスパット(外国人居住者)や旅行者だけでなく現地の人々も襲います。
私のローカルの友人は、地元の人が集うマーケットでラスカルにスラれたようです。
歩いていて話しかけられたらナイフで脅され、金品を要求されたという話も聞きました。
お金を持ってそうな人はもちろん、対象は全員です。
ラスカルへの対処法
ラスカルに出会ってしまったら反撃してはいけないと言われています。
まず、自分の身の安全を守るために相手の要求に従うことしか対処法はありません。
中には抵抗したために刺された人も大勢います。
日暮れや早朝の外出は避け、一人での行動や貧困層の人たちがいるような地域へは行かないようにしましょう
セキュリティーがしっかりしているところに行きましょう。駐車も必ずゲートの中で。
ラスカルはヒーロー??
ラスカルの行為は許されるものではなく市民が皆ラスカルの脅威に怯えています。
しかし、以前
ラスカルは子供たちのヒーローだ
と聞いたことがありました。
パプアニューギニアでは汚職やインフレ、仕事がない、仕事があっても低賃金などの問題が起こっており、国民の生活は相変わらず苦しいままです。
そのため、ラスカルは家族やワントクの生活のために犯罪を行い、必要な金銭を他者から奪っているとのこと。
クリスマスが近づく12月や、学費の支払い時期になると、ラスカルの出没が多くなると言われています。
このラスカルもパプアニューギニアの「ワントク」システムの弊害なのかもしれません。
どちらも悲しい現実です。
関連記事: パプアニューギニアに根ずく「ワントク(Wantok)」システムとは?
危険なのはラスカルだけではない?!
ラスカルは、有名なギャングですが、生活に困窮しているのはラスカルを名乗る集団だけではありません。
多くの国民が政府に不満を持ち、生活苦の中にいます。
そのため、ポートモレスビーではどんな状況でも油断はできません。
ホリデー中にお手伝いさんやセキュリティーに全ての家の物を持ち逃げされた人もいます。
私の夫も家のゲートに入ろうとしたところを突き飛ばされ、腕時計のみ持って行かれたようです。
ラスカルのみならず、パプアニューギニアの男性上位社会の弊害による女性や子供への暴力やレイプも深刻な問題となっています。
日本で生活していても事件や事故に巻き込まれることはありますが、このような国だからこそ、安全管理には十分に配慮し、起こらなくてもいい犯罪に巻き込まれないようにしましょう。
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