パプアニューギニアは800以上の民族が暮らす多民族国家であり、それぞれの民族は固有の言語を話し、固有の文化を持ち暮らしています。
800以上の部族に一度にお目にかかことは不可能ですが!2018年に開催されたAPECカルチャーショーで素敵ないくつかの部族に出会うことができました。
今回お会いしたパプアニューギニアのとってもお茶目な美しすぎる部族の方々をご紹介したいと思います。
フリ族 (ウィッグマン)
フリ族は美しいカツラを18ヶ月もかけて髪の毛を伸ばし、地毛で作ることで有名です。
その間は寝癖がつかないよう注意しながら、美しいカツラができるように滝で清めの儀式をします。
このカツラはフリ族の「成人」の証。男の人だけの成人修行です。
たくさんの時間と労力をかけて作ったカツラには先祖の魂が宿るとされています。
やっと出来上がったカツラにカラフルな鳥の羽根などの装飾をつけ、赤色の黄土とアンブアと呼ばれる黄色いクレイでボディペイントをすることで彼らの文化を神聖なものとすると考えられています。
フリ族は恐れを知らない戦士として誇りを持ち、民族紛争を陣地を広げるため、豚や女性を獲得するために行っていました。
フリ族の人々にとって豚は一番価値のある資産です。
女性と男性は別々に生活をし、女性は有害だと信じられていました。
女性は男性の家に入ることを禁じられ、子供と豚と生活を共にしていました。
次の人たちもフリ族です↓
フリ族はパプアニューギニアの中で一番大きな部族のため、フリ族でも少しずつコスチュームや言語、文化が異なります。
ヘラ州の中心やタリでは今も昔ながらの生活を営む人たちが住んでいます。
男性はカサワリという動物の羽を鼻に通し、キナシェルを首飾りにし、サイチョウの口ばしを腰につけ、カサワリの骨で作られたナイフをベルトにし、おデコには蛇の皮、ビルムと呼ばれる伝統的なバッグを肩から下げたりしています。
エンガ族
エンガ族はハイランドの州に7つある州の1つエンガ州に住む部族。
エンガ州はチンブー州に続いて二番目に険しい地域で、ハイランドの人たちもエンガ族を「山の人々」と呼びます。
そのためか、エンガ族はとてもユニークな部族です。
800以上もの言語を話すパプアニューギニアの中でエンガ族は1つのメジャーな民族があり、5つの地域に住むエンガ族はみな1つの同一の言語を話します。
踊りの際は「スリムリ(Suli Muli)」という歌を歌います。
スリムリという言葉はエンガ族の名前にもなり、スリムりの女性は苔や植物で作った大きな帽子をかぶります。
男性も大きな帽子をかぶりますが、男性の場合は、植物と自分の髪の毛でそれを作ります。
この丸い帽子はエンガ族の文化の象徴ともいえるでしょう。女性は顔全体にタトゥーをしていることもあります。
エンガ族の男性は「サンガイ」という成年の儀式があります。
この儀式の期間中、男性は浄化されるために隔離され、女性との接触を行わないように目を儀式的に洗浄します。
エンガ族の特別な時に行うボディペイントもとてもユニークです。顔を真っ黒に塗り、体はクレイや泥、ラード植物の油などで塗ります。
メルパ族
メルパ族は鮮やかで華やか!周囲の目を引きます。
地元で採れた染料とラードを混ぜて作ったものを体に塗り、採れた貝殻や動物の羽根を使って作った、ッドアクセサリーなどの装飾品を身につけています。
このメルパ族が大勢で集まり歌って踊る姿は圧巻!ボーカルミュージックも有名です。ハイランドの男性は他の村の女性に愛の歌を歌いにこのような正装で行くそうです。
とてもロマンティックですね。
今でも田舎に住むメルプ族は他のハイランダーのコミュニティーを訪れる時、この伝統的な衣装を身にまとい、昔から使われている石で作られた斧や穴を掘るスティックを持って飛行機で出掛けるようです。(お会いしてみたい!!)
タンブル族
タンブル族は、パプアニューギニアで二番目に高い山、Mt.Gilweの麓に住んでいます。
タンブル族の住む地域は、ウエストハイランド州、エンガ州、サザンハイランド州の境界にあるため、これらの州のコスチュームや踊り文化がミックスされています。
見た目は「本当に豪華で素晴らしい!」の一言。美しく丁寧に作られた装飾にうっとりしてしまいます。
モツ族
セントラル州のモツ族(Motu)は、パプアニューギニアのサウスコーストに住む民族です。
モツ族のコスチュームは、女性は植物の繊維で作られたスカートに裸足、伝統的なタトゥーをしていることが多いです。(この女性たちのようにタトゥーのようなペイントをしていることもあります。)
羽根や花や植物をヘッドアクセサリーや腕飾りとして使用しておりシンプルながらもとても美しいです。
ダンスでは男性が太鼓(kundu)を叩き歌い、女性はスカートをクルクルさせながら歌い踊ります。
女性のスカートくるくるはどの世界でも可愛いいですね〜
残念なことにモツ族はパプアニューギニアの中で首都に住む民族のために、他の部族に比べ先に西洋文化に早くふれ、固有の伝統を(ほとんど)失ってしまった部族と言えるようです。
普段は洋服を着て西洋文化に触れて英語を話してと首都の生活をしているため、モツ語というオリジナルの言語もありますが、どんどん消滅しているのも現実。モツ族の伝統的な衣装やダンスが観れるのは、観光客が村に訪れた時やイベントの時に限られます。
モツ族の男性が作るココナッツの繊維など自然のものを使ったセイリングボート(lagatoi)はとても有名で、今でもセイリングボートのイベントが年に一回行われています。
ブーゲンビル
ブーゲンビル地区出身の方々は、他の地域の人々と比べてややダークカラーのスキンが特徴です。
女性は美しい方ばかり!
モデルになって下さったの方々の写真撮影をしていて惚れ惚れしてしまいました。
ブーゲンビルと言えばバンブーバンドが有名です。
竹筒を組み合わせた楽器をココナッツのヤシまたは、最近では代用のスリッパで叩き音を出し音楽を奏でます。
その音がとても軽快で優しくて心地よいです。音楽に合わせて女性たちは踊り歌います。
とってもチャーミングなバンブーバンド です。
まとめ
このような部族の民族衣装姿を観る機会はパプアニューギニアに住んでいても本当に少ないです。
首都ポートモレスビーは発展してきているため、地方からポートモレスビーに集まった部族の人たちは洋服(Tシャツやマリードレスなど)を着て私たちと同じように働いています。
昔の部族の習わしでは、戦う男性上位だった社会も、都市部では男女平等になってきています。
地方やカルチャーフェスティバルに行くと、このように着飾ったパプアニューギニアの人たちに会うことができ、どの部族も本当に美して「衣装」「ダンス」「アート」に感動しますよ!
日本の皆さんパプアニューギニアの美しい部族に会いに来てくださいね。