パプアニューギニアに根ずく「ワントク(Wantok)」システムとは?

パプアニューギニアを話す上で、重要となる「ワントク(Wantok)」という言葉。

「ワントク(Wantok)システム」とは何だろう?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

ワントクとは?

英語のone(ワン)talk(トーク)に由来するピジン語で、同じ言語を話す集団を意味します。つまり、ワントクとは、家族=仲間を指す言葉。

パプアニューギニアには800以上もの固有の部族が存在しているため、同じ言語を話す、同じ部族を「家族」と考えます。

日本人が愛国心を持つように、この800ものパプアニューギニアの部族も自分の民族に誇りを持っています。帰属意識がとても強いです。(日本でも「家族や仲間を大事にしよう」という概念は昔からありますが、もっと道徳的な意味があり「人に親切にしよう」といった考え方が主流なのではないでしょうか。)

この国では、自分のワントクがより繁栄し、生き残るために、「ワントクシステム」が一般化しており、パプアニューギニア社会を理解する上でとても重要となります。

ワントクの助け合い(長所)

ワントクは、生活の全てにおいて助け合います。自分が失業中でもワントクの誰かが働いてお金を工面してくれます。そのため、家族で働いている人は少ないのが現状です。困った時には家族が助けてくれるのは当たり前。家がない時には、ワントクの家に住まわせてもらうのは当たり前。困った時には、ワントクが口利きし優遇してくれるのが通例化しています。

家族の関係が希薄になりつつある日本人にとっては、やや羨ましいような気がしますね。

結婚式にも多くの家族・親戚・ワントクが集まり、1000人以上の参加者を迎えるなど壮大なイベントになります。仕事場でも、お金が足りなくなると会社に「いくら貸して欲しい」と頼む人が少なくありません。理由は、家族や親戚の病気や葬儀、入学などで思いがけない出費が出たということが多いです。

このように、多くの国民は家族のためにお金を工面しみんなで助け合うようになっています。日本だと「え?!」と聞き返したたくなる理由ですが、人々の生活はこのように成り立っています。

個人よりも「家族第一主義」です。

ワントクの短所(ペイバック、賄賂)

もちろん、ワントクには上記のような良い面?だけではありません。物事は表裏一体、人生いろいろなことが起こります。良く新聞にこんなニュースが載っています。

・ある事件があり、その加害者が被害者のワントクにボコボコ(暴行)にされた。

・浮気をされた妻のワントクが妻の夫をボコボコに(暴行)した。

日本では、「公」に対する「正しいこと」を基準にして物事の善悪を判断することが多いですが、パプアニューギニアでは法整備もまだまだ未熟のため、「法律よりも家族」という考え方が基本となっています。すると、どんなことが起こるかというと「賄賂」が横行します。賄賂で少しくらいのことは多めに見てもらえることも多く、反対にもしそれがないと支払いを求められることもあるでしょう。よく考えてみると、日本もこんなシステムだったような。

法律や社会のシステムが成熟するともに、徐々に薄れていく傾向なのかもしれません。(まだパプアニューギニアは43歳とまだまだ若い国です。)

また、友人から聞いた話。

ある日ビルムを知人もらったそう。とても素敵なビルムでその日はありがとうと感謝の気持ちを伝えてそのビルムを受け取った彼女。次の日、その知人がまた彼女のところに「昨日のビルム気に入ってくれた?」と聞きに来たそうです。「うん、とても素敵なビルムだった。ありがとう。」と伝えると、「じゃあ、50キナでいいよ」と代金を請求されたそう。

あれ?プレゼント商法?笑

少しネガティブな話をしましたが、基本的にはパプアニューギニアの人々はとても優しくフレンドリーな国民性なので、あまり心配する必要はありません。

しかし、何事も「無料(タダ)」のものはないと考えていた方が良いでしょう。

ワントク文化が現代の社会に与える影響

良くも悪くも現代のパプアニューギニア社会に根ずく「ワントク」というシステム。日本にも「間を読む」というような独特な文化が今も根付いているように、パプアニューギニアにもこの「ワントク」という文化?システムが根付いています。

パプアニューギニアでの生活・ビジネスにおいても、この「ワントク」というシステムがとても重要なキーワードです。

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