最近では「ファスト・ファッション」がお洒落の基本になっていますね!
SNSには、GUやユニクロのコーディネートなどのお手本をよく見かけます。
日本で人気な会社には、GU, H&M, GAP, Forever21, ZARAやユニクロなど。
ファストファッションが主流になる一方で、シェアエコノミーの発展から「メルカリ」「ラクマ」で中古服をやり取りする若い女性や主婦、また男性も増えています!
ファストファッションなど新品で買った旬のデザインの洋服に加えて、メルカリなどで買った中古品をミックスしてお洒落を楽しんでいるようです。
着なくなった「古着」はどのように処分しているの?
ファストファッションやメルカリなどで、年間、数着〜人によっては数十着、時には何百着の洋服を購入すると思いますが、流行りやサイズの変化などでもう着ない洋服もでてきます。
では、着なくなった大量の服をみんなどのように処分しているのでしょうか?
・誰も着ないような服やアクセサリーは、ゴミに出す
・捨てるにはもったいないがもう着ない服やアクセサリーは「メルカリ」や「2ndストリート」などで、売る
・欲しい人や必要そうな人に、無料であげる
大体、この3つが挙げられます。
世界の古着マーケット
古着は、日本だけでの取引ではなく、海外でも多く取引されています。
特に、安価で手頃なファスト・ファッションを買っては捨てをここ10年間やってきたため、現代では行き場のない服が世界にあふれています。
その量は、ファストファッションが人気になってから増加の一途を辿っています。
毎年ファッション業界から9200万トンの繊維が廃棄されているが、2030年にはさらに5700万トン増えると予測されている※6。これは一人当たりに換算すると一年で175キロもの繊維ごみを出すことに等しいという。
Fashion Revolution
一人年間に175キロの繊維ゴミを出している計算になるというのは、驚き!
私たちのAirbnbのゲストとして、パプアニューギニアに出張にきていた、中古服の卸売業者の夫婦に会いました。
彼らはオーストラリア出身で、現在ドバイに住んでいるのだそう。
彼らの古着ビジネスの流れは以下です。
・オーストラリアの各地で集められた古着をドバイへ輸送。
・ドバイの倉庫でスリランカやフィリピン、ミャンマーなど色々な国から来ている出稼ぎ労働者の人々により、ランクごとに衣類の仕分け&梱包。
・その仕分けて梱包された古着を、ドバイからパプアニューギニアを含めたバヌアツやフィジーなど環太平洋諸国の古着屋さんに卸す。
この時初めて、パプアニューギニアの古着がどのような経緯で、パプアニューギニアに来ているのか知りました。
近年、世界で最も古着を輸入している国はパキスタンだが、ほかにマレーシアやUAEが「仕分け国」として知られている。自由貿易地域の優遇策や交通アクセスのよさに加え、世界から集まる豊富な低賃金労働力がUAEに仕分け倉庫が集積する理由の一つだ。
朝日新聞 GLOBE
パプアニューギニアのリッチな古着産業
パプアニューギニアの中古服の洋服屋さんの多さにびっくり!
先進国のようなショッピングデパートやアウトレットモールなどはないですが、中古の洋服屋さんが(倉庫みたいなところに!)何店舗もあります。
郊外にも大量の中古服を売っている倉庫があるようです。
パプアニューギニアの「中古服」と聞いたら、低品質?なイメージが浮かぶと思いますが、実際は低価格で高品質のものが揃っています。
オーストラリアから送られてきたブランド品や、まだ一度も袖を通していないような服まで、50円、100円、200円と破格な値段で売られています。
ブランド物もたまに発掘でき、KOOKAI, Witchery, Onitsuka Tiger なども見つけたと聞きます。
オーストラリアのような先進国では、古着として回収されるのは中古服だけではありません。
ある程度名高い「ブランド」は、前シーズンの売れ残りの洋服を低価格にして一掃したりは出来るだけしたくありません。
全シーズンのものでも破格で売ってしまうと、会社の商品のブランド価値が下がってしまうためです。
オーストラリアのように認知のある国で売るのではなく、古着として海外の発展途上国の市場に出し、捨てるのではなく、処分します。
このような流れから、「ブランド商品」もパプアニューギニアのような発展途上国にはたくさん流れてきています。
地元の人だけでなく、パプアに住む外国人「掘り出し物を探しに」中古服店によく買い物に行っています。
世界の古着の動向
世界で最も多くの古着が最終的にたどり着くのは「アフリカ」。
アフリカの中でもケニアの市場が大きかったようですが、自国の縫製産業を守るため、関税の引き上げも行われ、2019年いっぱいで、古着の輸入が終了することとなっています。
アフリカでは、先進国で不要になった服に依存する状況を変えようという動きも生じている。
朝日新聞 GLOBE
ケニアを含む6カ国でつくる東アフリカ共同体(EAC)は2016年、域内産業を育てようと、古着の関税を段階的に引き上げて19年までに輸入を禁止することで合意した。
これに猛然と反発したのが世界一の古着輸出大国アメリカだった。
古着は、先進国から発展途上国へというルートで市場に出回っていることがわかります。
アフリカに卸していた古着の量を引き受けてくれる、他の発展途上国市場の発掘が今後の古着市場の課題になるでしょう。
おわりに
ファストファッションの成長がひと段落した現代では、新品でも、安価で低品質の衣類を買うことがあまり推奨されなくなってきました。
環境破壊の問題やスウェットレイバー(Sweat Labor )についても問題視されているからです。
人々も情報が出回るにつれて、粗悪な作りや非人道的なことをしている会社の衣類を買わなくなりました。
その代わりにITの技術が進化し、シェアリングエコノミーを通して質の高いものが低価格で売買され、個人間でも有意義な取引ができるようになっています。
着ない洋服を購入したり、シーズンごとに洋服を使い捨てせず、いいものを賢く購入し、好きなものを大事に着ていく時代になってきていると言えるでしょう。
中国製の数回来たら破けるようにできている服よりも、古くても質の高い「中古」がビンテージとして再注目されています。
THE TRUE COSTは一度は見ていた方がいい映画。
これ見ちゃったら、ファストファッションを買いたくなくなります。汗
Netflix でも見ることができます!
高速インターネット