子宮頸部円錐切除術の目的は病変部を含めて子宮頸部を円錐状に切除することにより、診断を確定することと同時に、どの程度の治療が必要であるのかを明らかにすることにあります。子宮頸部レーザー円錐切除術後の病理検査の結果、病変の取り残しがなければ追加の治療は通常は不要です。ただし、術後も外来で経過をみる必要はあります。手術検体の病理診断によっては追加治療が必要となることもあります。
方法:
引用:慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室
子宮頸部をレーザーメスもしくは超音波メスにより円錐状に切除します。レーザーメスや超音波メスは普通のメスを使用するより、出血が少ないという特長があります。頸部を円錐状に切除したのち、出血と病巣の取り残しを防ぐという意味で切開部分に熱変性を加えます。手術時間は約30分ですが、麻酔をかけ始めてから麻酔が覚めるまでの時間を考慮にいれると手術室の滞在時間としては2時間程度です。
私もHPV16型と33型に感染し、高度異形成と診断され2017年に子宮頸部円錐切除術をしました。
子宮頸部円錐切除術について
手術が決まるまではとても不安な日々を過ごしましたが、手術が決まってからは
「早く手術をして取り除きたい!」
という気持ちの方が強く、手術の日を心待ちにしていました。
円錐切除術は日帰りでもできますが、私は大事をとって3泊4日入院しました。
【術前検査】 3週間前 (採血、採尿、胸部レントゲン、生理検査)
【入院当日】 10時に入院 (Tパンツ、ナプキン持参)
【手術前夜】 21時から絶食
【手術当日】 私の場合は午前から手術でした。術後はベッド上安静です。
【手術翌日】 出血やバイタルなどに異常が見られなかったら退院。
子宮頸部円錐切除術の術後
円錐切除術をしたの後、だるさは残ったものの、痛みは特になく術後は順調でした。
一般的な円錐切除術の副作用は、
・出血
・頸管狭窄・頸管閉鎖
・切迫早産・早産の可能性が高まる (妊娠9ヶ月時)
の3つです。
術後一週間は内服や安静の指示などがありましたが、術後の経過は良好で、出血もほとんどありませんでした。
子宮頸部円錐切除後の受診
手術から約2週間後、病理結果を聞きくために再度病院へ行きました。
結果は、33型のみが取りきれず残ってしまったとのこと。ツイテナイ。(涙)
頸部を切除しすぎると、感染細胞を取り除くことはできるが、早産の危険性が高まるということで控えめにして下さったようです。(結婚前だったので)
しかし、肝心な16型が無くなっただけでも良かったな〜としています。
あとは、今後フォローアップで33型の経過を観察していくことになります。
子宮頸部円錐切除後のHPVワクチン接種
円錐切除後で一番重要なことは、今後2度とHPVの16型と18型に感染しないように、術後性交渉をする前に、子宮頸がん予防ワクチンを接種することです。
「ガーダシル」を接種しました!
商品名ガーダシル(Gardasil、別の商品名Silgard)は、特定のヒトパピローマウイルス (HPV) の感染を予防するワクチンである。メルク・アンド・カンパニー(Merck & Co.)が製造する。
ガーダシルは2006年にアメリカで承認され、HPVの6型、11型、16型および18型の感染を予防する。子宮頸癌の主な原因(7割)であるHPV16型、HPV18型の感染および、尖圭コンジローマの90%の原因であるHPV6型、HPV11型の持続感染を予防する。HPVが関与する尖圭コンジローマや肛門癌、膣癌、外陰部癌なども予防することが出来[1]、男性への投与が認可されている国もある。ガーダシル9は、アメリカで2014年に承認され、加えて31、33、45、52、58型の感染も予防する。ガーダシル9の日本での承認はない。
ガーダシルは、2012年において世界120カ国で使用されており、HPVワクチンの世界シェアの約80%を占める[2]。他のHPVワクチンにサーバリックスがある。
1回目、2ヶ月後、6ヶ月後に3回接種して終了。(総額5〜6万円、全て実費)
噂に聞いていたような、「気分の不快感」などはありませんでした。
それよりも何よりも、もう16型と18型に感染しないんだ〜と思うだけで、最高にハッピーでした。
おわりに
病気にならないと分からないことがたくさんあります。
多くの若い女性が今後子宮頸癌にならないためにも、多くの方に子宮頸がんワクチンの重要性を考えて欲しいです。
*子宮頸がんの専門データは、
「子宮頸がんは、予防する方法があります。未来を守るために、いま知っておきたいこと。」監修:横浜市立大学医学部 産婦人科 教授 宮城悦子 から参照しています。
円錐切除術の詳しい副作用は以下を参考にして下さい。
円錐切除術の副作用
出血
レーザーメスによる切開は出血が少ないという特長がありますが、全く出血しないというわけではありません。手術終了時には切開部に「かさぶた」が形成されて止血された状態となっています。このかさぶたがはがれるのは術後約 7-14日ですので、退院直後よりはむしろ、退院後しばらくしてから出血することがありますが、ナプキンに少量付着する程度であれば問題ありません。切開部の傷が治癒するのには4-7週間かかりますので、その間はスポーツや性交渉を避けていただいています。また、便秘も出血の原因となりますので、便通のコントロールも必要です。これまで当院においては円錐切除の手術中に輸血が必要となった症例や出血が多くなり子宮摘出を余儀なくされた方が僅かにいます。頸管狭窄・頸管閉鎖
子宮頸管部の傷が治る過程において頸管が狭くなる場合があります。いままで月経痛がなかった人も稀に月経痛を感じるようになる場合があります。ごく稀に頸管閉鎖を起こす場合があり(1%)、再開通術が必要となる場合があります。切迫早産・早産
引用:慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室
この手術の目的は子宮を温存し、将来の妊娠・出産の可能性を残すことのできる手術です。当院のデータではこの手術を受け、その後に妊娠した場合の早産のリスクは20%ですが、手術をうけていない場合は9%となっており、手術をうけた場合には若干そのリスクが高くなることがわかっています。尚、妊娠中に本手術をうけた場合、早産のリスクは本手術を施行していない場合と比べ、その危険度が増すということはありません。