HPVウイルスの16型と33型に感染し、CIN3(高度異形成)ということで円錐切除術を受けました。
そろそろ、術後1年3ヶ月が経過しようとしています。
円錐切除術で、16型は取り切ることができたのですが、まだハイリスクの1つでもある33型は取りきれていません。
一年後の定期検診に必ず行かなくちゃ!と思っているところです。
(子宮頸がんの型について詳しく知りたい方は、こちらから参照して下さい)
そんな時、原千晶さんの子宮頸がんの講演記事を大阪南医療センターのホームページで見つけました。
2014年の講演「大切にしたい自分の体」
少し前の記事になりますが、原さんの感情や状況、その講演の内容がとても鮮明で、人事だと思えませんでした。
(講演の内容はこちらからどうぞ。)
原さんが、子宮頚がんであることがわかったのが30歳の時。
子宮頸部にイボのようなものができており、採取・検査し「子宮頚がん」であることがわかったそうです。
子宮頚がんがわかる前の症状は、
・経血の量が増える
・血液が混入したおりもの
・お腹がシクシク痛い
しかし、30代に入り原因を「年齢のせいだろう」と推測し、病院での検査が遅れてしまいます。
遅れて病院で検査し、そのイボを取るために子宮頸部の円錐切除術を実施。
術後、そのイボの正体はステージ1Aのがんだということがわかったそうです。
そして、再発しないように子宮を取る選択を医師に勧められます。
先生は続けて「調べた結果あまり顔つきのよくないものだったし、再発したりしたら大変だから、今度は早いうちにお腹を切って子宮を全部取った方がいいと思う。」と言われたんです。私はがん告知も非常に衝撃的だったんですが、子宮を取らなくてはいけないっていう先生の言葉の方がびっくりして絶句してしまい涙が止まりませんでした。
出典:原千晶さん講演、大阪南医療センター
その後、30代の前半で子宮を取る決断ができず、毎月の検診をしていくことを病院と約束し、フォローアップをすることに。
しかし、検診も三年目になり仕事も忙しく「大丈夫そうだな〜」と過信が生まれ、徐々に検診に行かなくなります。
最初の子宮頚がんの円錐切除術をしてから5年後。
再び、
・経血が増える
・無色透明でサラサラした水のようなおりものが出る
・強い痛み
このような症状が現れ始め、2年ぶりに受診します。
その時は、子宮頚がんの腺がん、病気1Bの二期と診断されました。
最悪浸潤があった場合は、広汎子宮全摘手術と抗がん剤治療が6クール必要で手術もできないかもしれないと言われたそうです。
円錐切除の先生から言われた「今なら子宮を取るだけで済むから。」という言葉が心のど真ん中にズドーンと響きました。家に帰ってからもインターネットで広汎子宮全摘出術という手術がどういったものなのかを調べました。生殖器はすべて取り去って、リンパもたくさん取らなくてはいけないので排尿障害が出たり、神経が分断されることによってお手洗いに行きたいという感覚が失われたりなどの障害が残るかもわからない。お腹から下が浮腫んで戻らなくなるリンパ浮腫になる患者さんも多くいる。といった自分が想像していたよりもずっとずっといろんな恐怖がありました。
出典:原千晶さん講演、大阪南医療センター
その後、子宮体癌ステージ3Cも発症しており、腸骨のリンパまで転移していることが分かり、予定通り手術・抗がん剤の治療をすることになります。
現在は、これらの困難を乗り越えて活動してらっしゃるようです。
人は
「大丈夫かも」
と思った時が一番危ないと、原さんの記事を読んでいて痛感しました。
私も、
「もう16型は取ったし、33型は徐々にフォローアップしていけば大丈夫かな」
楽観的に考えていたなと、身の引き締まる思いがしました。
子供も
「まあ、40歳までに作ればいいかな」
と、気楽に考えていたところです。
でも、人生何が起こるか誰にもわからないもの。
「自分の子供が持てなくなる」
と思った時、女性はとてつもない喪失感に襲われるんだろうと感じました。
また、日本中にこのようなHPVの脅威にさらされている女性が(男性も)驚くほどたくさんいる(ほぼ全員?)だと思うとゾッとします。
HPVのワクチンを摂取していない限りこの状況はずっと続くのです。
日本産科婦人科学会の
「子宮頸がんと HPV ワクチンに関する最新の知識と正しい理解のために」
に子宮頸がんになりやすい年齢、HPV感染、ワクチンの重要性、世界の子宮頸がんワクチンの現状や羅患率データなど詳しい情報が載っています。
この論文にもワクチンの必要性が書かれています。
WHO は平成 27 年 12 月の声明の中で、若い女性が本来予防し得る HPV 関連がんのリスクにさらされている日本の状況を危惧し、安全で効果的なワクチンが使用されない ことに繋がる現状の日本の政策は、真に有害な結果となり得ると警告しています 41)。
日本産科婦人科学会は、科学的見地に立って、子宮頸がんの予防戦略において HPV ワクチンと検診の両者は共に必須であると考え、これまでに HPV ワクチン接種の積極的勧奨の再開を国に対して強く求める声明を 4 回にわたり発表してきました 42-45)。
また本会および日本小児科学会などを含む 17 の予防接種推進専門協議会の関連学術団 体は、HPV ワクチン接種推進に向けた見解を国内外に発信しています 46)47)。
出典:日本産科婦人科学会
早くHPVのワクチン接種が一般化し、少しでも多くの女性に(男性にも!)安心して人生を歩んで欲しいと願うばかりです。
最近では、HPVの検査キットがアマゾンでも買えるようです!
しかし、型まではわかりません。
一番大事なのは、16型と18型にかかっていないか知る事です。
(または、他の高リスクのタイプのHPVへの感染)
病院に行って検査してもらうことが大事でしょう。
この検査は保険は適用外で3万円ほど掛かりますが、やる価値はあります。